+SWISSNOTE+

スイスで暮らす日々のあれこれ

「何かしたいと思った。」東日本大震災後の日本を行脚したあるスイス人の物語

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スイスのチューリヒ州出身で、日本担当としてスイスの旅行代理店に勤務をしていたトーマス・コーラさん(Thomas Köhler)という方をご存知でしょうか。2011年3月11日に起こった東日本大震災によって彼の人生は大きく変わりました。

事の発端は、日本に深い傷を残した、あの東日本大震災。それによる津波原発の被害のために彼の顧客は次々と日本への旅行をキャンセル。結果、全ての仕事を失うことになってしまいました。しかし、あきらめる事は彼の選択肢にはありませんでした。それどころか、ある1つの大きな決断をしたのです。それは、北から南まで日本国内約2,900キロを自分自身の足で歩くこと。プロジェクトの費用は自分の貯金から賄うことを条件にして…。

それがこの映画のはじまり。

 

Negative: Nothing
Step by Step

http://youtu.be/3vwXJqauyy0

 

震災後、日本は本当に安全な国なのかと世界から疑問を投げかけられ、日本から海外へと離れていく人たちがたくさんいました。実際にトーマスさんが経験したように、日本への旅客は激減。被災地の物理的な被害だけでなく、観光業界も大きなダメージを受けました。そんな中で自分自身の足でその土地を歩き、日本中を見て回る。各地でトーマスさんに会う人々は、遠くから徒歩で旅していることに驚き、彼を応援しました。そして、大きな反響を得たトーマスさんの行動が、ドキュメンタリー映画になり、公開されることになったのです。

「ネガティブな情報を見るのはもう沢山だ、ポジティブなことにも目を向けていこう。」彼自身がそういう人柄である…とこの中では語られています。きっとはじめはトーマスさんも「居ても立ってもいられない」という純粋な思いから、この全国行脚を始めたのだと思います。しかし、彼自身が広告塔となり、メディアを通じて外国人観光客に日本のアピールをする結果になったのです。本当にすごいことですよね。

それから偶然にも、この記事を書いている途中に茨城で震度4の地震が起こり、私の住んでいる地域にも大きな揺れがありました。これを読んでくださっている日本の皆様は大丈夫だったでしょうか。しばらく地震がないと一瞬何事も無かったかのように錯覚し、地震大国であることを忘れてしまいがちです。しかし、今もこうして地震の揺れを感じることがあり、その度にあの時の記憶が蘇ります。現在、あの大きな地震から2年半以上が経ち、少しずつ記憶が風化しはじめてくる頃かもしれませんが、あの経験と記憶は決して風化してはいけないものですし、後世に伝えるべきことだと思います。

最後に映画の予告編の映像をもう一つ。
http://youtu.be/4nsYnh8T0HE

 

全国の被災地の方々、そして今も復興に向けて前向きに取り組んでいる皆様が1日でも早く、自分たちの望む通りの生活が送れますように。そんな願いを込めて、このエントリーを送ります。

映画は2013年11月30日(土)より公開です。
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