スイスフラン(CHF)と日本円(JPY)の関係について
日本は日本円(Japanese Yen)そして、スイスはスイス・フラン(Swiss Franc)。この二つの国に関係する人や実際に行き来する人にとっても、お互いのレートが気になる所ですよね。
米国の同時多発テロ以降、世界情勢が不安定になった中でも安定するどころか上昇を見せていたスイスフラン。価値は金よりも堅いと言われるほど世界で最も安定した通貨と言われていますが、最近はどんな動きを見せているのでしょうか。まずは、本日の各国のレートを見て行きましょう。
それぞれのお金「1」に対する日本円の価値(2013年11月10日)
これを見ると、長くスイスと関わる方にとっては、ここ最近の日本円に対するスイス・フラン高傾向には驚くものがあるのではないでしょうか。なんてたって2000年には1スイス・フランが60円台のことだってあったんですから…!(当時スイス・フランに注目していなかった私もその価値の違いにびっくりです。笑)それに比べると現在は1.5倍以上価値が上がっているということになりますね。
現在を除いてここ5年だけに注目してみても、1スイス・フラン100円台を突破したのは2011年8月のたった10日間ほど。100円の大台に一瞬だけ乗ったあとは急降下をし、それから1年以上80円~90円台をキープしてきました。
次に、今年を含む過去3年間の動向を見るため、以下に表を引用します。
↑ロイターから今日のレート資料をお借りしました。
これを見れば一目瞭然…2013年に入ってから急に円安が進んでいます。これは一体どういうことなのでしょうか。
現在の内閣総理大臣、安倍晋三が就任した時期とそれは関係しています。それまで1年前後の短期間で総理大臣が変わっていたので、いつ現在の総理に変わったのか曖昧な方もいるかと思いますが、それは去年の年の暮れ、2012年12月26日のことでした。それから安倍総理大臣を中心に様々な政策が計画から実行に移されました。その中でも注目されたのが、皆さんご存知の「アベノミクス」。これがスイス・フランと日本円の関係に大きな影響を与えていると言われています。
というのも、スイス・フランと日本円は共に世界的に安定した堅い通貨とされており、去年までは世界中から多く買われていました。しかし、成長戦略として大きく打ち出された「アベノミクス」は、円高の阻止がひとつの目的でした。それはつまりどういうことかと言うと、安定していたものが不安定になるということ。そして、それが原因でスイス・フランへの流出が起こり、結果スイス・フランと日本円の金額の差が大きく出てしまったのではないかと考えられます。
この傾向がいつまで続くのかは分かりませんし、立場によって良いか悪いかというのは180度変わってきますよね。現在、私自身は日本からスイスへ行く側の人間なので、もう少し円高傾向が進むといいな…というのが個人的な意見です。
さて、スイス・フランと日本円の関係を紐解いてきましたが、スイス・フランってものすごく保守的!なイメージありませんか?ついでにスイス・フランとEUとの関係も見て行きましょう。
様々な資料でスイス・フランがEUに加盟することによって生じるデメリットの方が大きいと論じているようです。もちろん参加しないことによるデメリットもあるはずですが、それを上回る価値がスイス・フランを守ることによって起こるんでしょうね。その辺の理由も気になったので、調べてみました。以下にいくつかをピックアップしてみます。
(1)出展第2節 周辺域外国のパフォーマンス:ユーロ参加国との比較(内閣府)
(2)出展ミステリアスな国、スイスより、
(3)出展スイス(Wikipedia)より、
一時期はEUへの参加が検討されたこともあるようですが、スイスは現在も頑なに「Swiss Franc」ブランドを守り続けています。それはある意味信念を感じますし、永世中立国ならではのプライドを感じずにはいられません。
今回はスイス・フラン対日本円とちょっとだけ対ユーロの比較のみを取り上げました。そのため、各通貨を対米ドルや対英ポンドで比べるとまた違う動きになります。そして、国によってバックグラウンドももちろん違いますので一概に比較できないところも多いですが、スイス・日本のお金を利用する人たちにとっては、両国間のレートはずっと付きまとう問題ですので、これからもその動向に注目していきたいと思います。
+読んでくれてありがとう♪+
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米国の同時多発テロ以降、世界情勢が不安定になった中でも安定するどころか上昇を見せていたスイスフラン。価値は金よりも堅いと言われるほど世界で最も安定した通貨と言われていますが、最近はどんな動きを見せているのでしょうか。まずは、本日の各国のレートを見て行きましょう。
それぞれのお金「1」に対する日本円の価値(2013年11月10日)
- スイス・フラン 107.4295円
- 米ドル 99.05円
- 欧米ユーロ 132.4199円
- 英ポンド 158.6286円
これを見ると、長くスイスと関わる方にとっては、ここ最近の日本円に対するスイス・フラン高傾向には驚くものがあるのではないでしょうか。なんてたって2000年には1スイス・フランが60円台のことだってあったんですから…!(当時スイス・フランに注目していなかった私もその価値の違いにびっくりです。笑)それに比べると現在は1.5倍以上価値が上がっているということになりますね。
現在を除いてここ5年だけに注目してみても、1スイス・フラン100円台を突破したのは2011年8月のたった10日間ほど。100円の大台に一瞬だけ乗ったあとは急降下をし、それから1年以上80円~90円台をキープしてきました。
次に、今年を含む過去3年間の動向を見るため、以下に表を引用します。
↑ロイターから今日のレート資料をお借りしました。
これを見れば一目瞭然…2013年に入ってから急に円安が進んでいます。これは一体どういうことなのでしょうか。
現在の内閣総理大臣、安倍晋三が就任した時期とそれは関係しています。それまで1年前後の短期間で総理大臣が変わっていたので、いつ現在の総理に変わったのか曖昧な方もいるかと思いますが、それは去年の年の暮れ、2012年12月26日のことでした。それから安倍総理大臣を中心に様々な政策が計画から実行に移されました。その中でも注目されたのが、皆さんご存知の「アベノミクス」。これがスイス・フランと日本円の関係に大きな影響を与えていると言われています。
というのも、スイス・フランと日本円は共に世界的に安定した堅い通貨とされており、去年までは世界中から多く買われていました。しかし、成長戦略として大きく打ち出された「アベノミクス」は、円高の阻止がひとつの目的でした。それはつまりどういうことかと言うと、安定していたものが不安定になるということ。そして、それが原因でスイス・フランへの流出が起こり、結果スイス・フランと日本円の金額の差が大きく出てしまったのではないかと考えられます。
この傾向がいつまで続くのかは分かりませんし、立場によって良いか悪いかというのは180度変わってきますよね。現在、私自身は日本からスイスへ行く側の人間なので、もう少し円高傾向が進むといいな…というのが個人的な意見です。
さて、スイス・フランと日本円の関係を紐解いてきましたが、スイス・フランってものすごく保守的!なイメージありませんか?ついでにスイス・フランとEUとの関係も見て行きましょう。
様々な資料でスイス・フランがEUに加盟することによって生じるデメリットの方が大きいと論じているようです。もちろん参加しないことによるデメリットもあるはずですが、それを上回る価値がスイス・フランを守ることによって起こるんでしょうね。その辺の理由も気になったので、調べてみました。以下にいくつかをピックアップしてみます。
(1)出展第2節 周辺域外国のパフォーマンス:ユーロ参加国との比較(内閣府)
スイスはEUに加盟しないものの、73年に当時のECと自由貿易協定を締結するなど、EUとの結び付きは決して弱いものではなかった。政府がEU加盟に関して積極的であったため、その後も人の移動や運輸等の面でEUと二国間協定を結んだ。しかし、国民意識は政府の考えとは逆で、97年と01年に実施されたEU加盟交渉に関する国民投票26別ウインドウで開きますではいずれも反対票が70%を超え、賛成票が過半数を上回る州は一つも無かった。自由貿易協定が国民投票で賛成されていたことも踏まえると、スイス国民はEUとの結び付きによる利益を認めつつも、加盟による主権や文化の喪失を懸念し、それがEU参加に反対する理由になっていると推察される。
(2)出展ミステリアスな国、スイスより、
加盟することによって経済や政治の面で国内のシステムをEU基準に合わせないといけない。すると、長年スイスが築いてきた独自の伝統的制度、政策を失うことになる。
(3)出展スイス(Wikipedia)より、
スイスの欧州連合 (EU) 加盟の賛否を問う国民投票において、国民の過半数が反対票を投じる重大な理由はここにある。すなわち、スイス国民にとってEU加盟は何らメリットが見出せないのである。
一時期はEUへの参加が検討されたこともあるようですが、スイスは現在も頑なに「Swiss Franc」ブランドを守り続けています。それはある意味信念を感じますし、永世中立国ならではのプライドを感じずにはいられません。
今回はスイス・フラン対日本円とちょっとだけ対ユーロの比較のみを取り上げました。そのため、各通貨を対米ドルや対英ポンドで比べるとまた違う動きになります。そして、国によってバックグラウンドももちろん違いますので一概に比較できないところも多いですが、スイス・日本のお金を利用する人たちにとっては、両国間のレートはずっと付きまとう問題ですので、これからもその動向に注目していきたいと思います。
+読んでくれてありがとう♪+
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