スイスでの人付き合いについて
スイスに住み始めてから思うのが、家族の距離がとても近いという事。物理的に住んでいる場所が近い事もあるけれど、日頃からお互いに電話やメールで連絡を取り合うことが多い。それは日本に住む自分の家族よりも連絡の頻度が多いことは間違いない。
スイスに引越してきてからは、1ヶ月に最低1回の頻度で義家族に会っている。幸いな事に義家族はみんな良い人だし、窮屈な嫁姑関係も無いのでその辺は助かっているが、あまりにも頻度が多すぎるとたまに会うのが面倒くさいと思ってしまう事は否めない。
家族に加えて友人関係もとても密だ。これはスイス人の傾向なのか、夫の個人的な傾向なのかは分からないが、広く浅い上辺だけの付き合いではなく、狭く深い付き合いをしている為、これまたそれぞれの友達と忙しくても1・2ヶ月に1度くらいは会っているのではないだろうか。そして、スイスでは誕生日に本人がホストになって家族や親しい友人を招待してパーティなどを開く事が多いのだが、そのパーティに招待されたら(特別な理由でも無い限り)参加しないわけにはいかない。
基本的にカップル参加の会が多いので、当たり前にパーティへ配偶者や恋人を連れて行く。加えて、日本のように家族や友人と外のレストランで食事をするというよりかは、お互いの家に招待をして一緒にご飯を食べたりお酒を飲んだりする事が圧倒的に多いため、一回の滞在時間がとても長い。
「自分の友達は夫婦共通の友達である」という考えを持つ夫と、「夫の友達と自分の友達は違う」と考える私はスイス的思考(?)にまだ追いつけてないところがある。そのため、彼の友達のパーティがある時に一人で行ってくればいいのにと思うこともしばしばあるけれど、私が行かないなら夫も参加しないという謎の二択を迫られるので、何だかんだ一緒に参加していることがほとんどである。
そもそも人見知りな私なので、パーティ自体が苦行であるという事を訴え続けた結果、それについては夫も理解してくれたので、あまりにも知らない人ばかりが参加するパーティでは、夫がもっと他の人と話をしたいだろうところを、できるだけ私の横に居てくれるのは感謝している。
先日も夫の友人の誕生日パーティがあって参加したのだが、参加者約50人のうち、私の知っている人は誕生日の本人を含めて3人のみ。あとは全員初対面。そうなると、初めて会う人達との間で同じ会話が続く。
- どこの国から来たの?
- スイスに住んでどれくらい?
- (スイス)ドイツ語は話せる?
- 日本は恋しくない?
- スイスに住んでみてどう?
この五大質問をひたすらループする。ある意味修行である。
話の順序はこうだ、①握手して自分の名前を言う→②五大質問のどれかまたは全部→③ Ich freue mich(Nice to meet you 的な挨拶)これが一連の流れ。先日の誕生日パーティの場合は初対面がほとんどだった事もあり、この流れを10回以上はやっている。私達の話をどこかで聞いたことがある人については話が早いこともあるけれど、5.スイスに住んでみてどう?の質問は大体の場合、全員に聞かれる。そして一番答えづらい質問でもある。
この質問の答えとしては、『特にホームシックもないし、スイスはとても住みやすいですよ。食べ物もそれなりに美味しいと思うけれど、強いて言えば海鮮があんまり無いのが残念かな〜。』みたいな、そんな在り来りな解答をいつもしている。
そんな答えに対して、「海鮮がなければ川魚を食べればいいじゃない?」とか的はずれな反応が返ってくる事もたまにはあるけれど、『確かにそうだよねー。海も川も魚類には変わりないもんねー。(真顔)』などと波風を立てたく無いために、思ってもない返事をしてしまう事もある。
あまりにも同じ質問が続くので、ふざけて『ものすごーく日本が恋しい。スイスは格別住みやすい訳でもないし、食べ物もワンパターンでつまらないし、今すぐにでも日本に帰りたい!!!』とか『特に日本に対する愛着も執着もないし、スイスの環境が最高すぎるので、日本には絶対に帰りたくない。』とか極端な事を言ってみたい気もするけれど、どちらも本心とは違うので、そんな冗談を簡単には言えないチキンな私です。
何だか愚痴のように綴ってしまいましたが、人付き合いが面倒で煩わしく感じてしまうのは何故なのか…と考えた時に出る答えは一つ。
スイスドイツ語が理解できないから
…これに尽きる訳です。
なぜなら同じシチュエーションでも、それが日本だったらそこまで煩わしく感じることはないからだ。根本的に人見知りなところはあるが、ある程度の社交術は大人なんで心得ている(はず)。そもそも言葉が問題なく通じれば、話題なんていくらでもある。
大体の場合は質問3、(スイス)ドイツ語は話せる?の時に『標準ドイツ語なら少し話せます』と解答をして、「それは素晴らしいね!スイスドイツ語は難しいと思うけれど、慣れれば大丈夫だよ!時間が必要だね。」というこれまたテンプレ解答をいただく流れになるのだ。
それはまぁ一応分かってはいるんだけどね。でもやっぱり全員がスイス人の場に飛び込んだ時の”アウェイ感”は、言葉が理解出来る様になってからもずっと続くのであろうと思う。それは外国に住む事を決めた者の宿命というか、覚悟しなければいけない事の一つなのだろう。バックグラウンドの違いは簡単には埋められない。私とは逆に日本に移住して来た外国人とて同じ思いをしているのであろうから。今は私がスイスで外国人なのだ。
とりあえず、今の私の問題は圧倒的なドイツ語力不足であることには違いないので、そこを克服するべく勉強に励むしか解決方法はない。
大変なのは始めだけ。頑張れば将来やって良かったと思う日がある!…と信じて、日々ドイツ語を勉強するスイス在住1年目の私です。
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義父シェフのスペシャルパエリア!
最近はInstagramばっかりの更新になってしまい、ブログがなおざりになっているので久しぶりに更新してみます。
スイスはやっと春が来たと思いきや、いきなりの夏日が続いています。今は東京と同じくらいの気温です。快晴の日はたまに30度超えをする時間もありますが、湿度が高くないので日陰にいれば爽やかで気持ち良い気候です。
スイスに引越してから約半年、私のドイツ語の進捗状況ですが、ドイツ語A2まで終了しました。A2最後のテストは緊張しましたが、先生に大丈夫!と言ってもらって無事突破。次はB1になりますが、来月日本から家族が遊びに来る予定なので、しばし学校はお休みすることにしました。
学校を休んでいる間に学んだことを忘れないように、夫と積極的に会話をしてみたり、友達と出かけたりなどしています。やっぱり机上で学ぶことよりも直接ネイティブとの会話で学ぶことのほうが断然多いですよね。幸いスイス人のお友達が多いので助かっています。
さて、本日の本題ですが、我が家の夏の定番パエリアについて。
先日、ロンドンから義両親のお友達がスイスに遊びに来ていたのですが、その時に義父の得意料理パエリアをするから家に来ない?と誘われ行ってきました!
パエリアは私の大好物!しかも義父がつくるパエリアは具沢山で本当に美味しいのです。
バルコニーでガスを使った本格パエリア!しかも海のないスイスでは超貴重な海鮮がこれでもか!という程に沢山使われています。
上に乗った大きな海老で中が見えませんが、海老・ムール貝の他にも鶏肉・野菜・イカ・オリーブなどなど沢山の具材が隠れています!
↑このパエリア鍋で約12人前のパエリアが出来ます。
そしてお皿に盛ってもらったパエリアがこちら。とっても美味しくて、おかわりもしてしまいました。笑
夕飯の後はデザートを食べながら外の景色を楽しみました。
家が西側に位置しているので、家からサンセットを見ることができます。スイスの家は南側と西側に面して建っている建物が多いようです。私が住んでいる家は南側。どちらもメリット・デメリットがあるので一概にオススメは出来ませんが、私は南側が好きかな。
空がマジックアワーで刻々と表情を変えていくのは本当に神秘的で美しいです。
太陽が沈む直前はこんな色。
夫が育ったのがこの家だった為、この素晴らしい景色が当たり前になっていたようですが、実家を離れて暮らしてみて、この景色が特別なものだったと実感したようです。笑
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スイス初の試み「レーティッシュ鉄道」で日本の萌えキャラが正式採用!
スイスの「レーティッシュ鉄道(Rhätische Bahn)」と言えば、氷河特急(グレッシャー・エクスプレス)やベルニナ急行の観光列車を走らせていることで有名な会社です。スイスの観光本などにも必ずと言っていいほど掲載されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
そして、このレーティッシュ鉄道は日本の箱根登山鉄道と姉妹提携を結んでいることでも知られています。
natsuko-cowbell.hatenadiary.com
そのレーティッシュ鉄道がなんと日本の萌えキャラマスコットを正式に採用したというニュースが発表されました!その仕掛け人となったのが、”スイス大使 ラユン”さんです。
ラユンさんは正式なスイス大使ではなく、ハンドルネームとして名乗っています。現在はチューリッヒ市役所の公務員であり、元スイス連邦鉄道(SBB)の従業員なのだそうです。
スイス最大級の私鉄で、2008年に世界遺産に登録された、レーティッシュ鉄道が、日本の箱根登山鉄道と協力し、今回特別にデザインされた機関車でイベント参加者をダボスまでお連れします。箱根登山鉄道とレーティッシュ鉄道は30年以上も前から姉妹提携を結んでいる事を皆さんご存知でしたか? pic.twitter.com/bBhzYFNvJe
— スイス大使 ラユン (@rayunch) 2017年4月21日
このニュースを見た時に、ラユンさんをどこかで見かけたことがあると思っていたら、日本の萌えキャラが大好きで、中でもラブライブ!の南ことりちゃん推しの外国人として、以前にWebメディアで取り上げられていたのを思い出しました。
ことりちゃん可愛い。
画像はラブライブ!公式ページより引用しています。
もう一つ重大なアナウンスメントがあります。出来るだけ多くの日本のフォロワーの方々に読んで頂きたいです。レーティッシュ鉄道の最高責任者の方が僕の提案した、日本で製作されたマスコットを正式採用する事に同意して下さいました。#レーティッシュ鉄道 #箱根登山鉄道 pic.twitter.com/5q6yWBjHrV
— スイス大使 ラユン (@rayunch) 2017年4月21日
萌えキャラというと敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、元々日本のアニメ文化が大好きな私にとっては、とても嬉しいニュースです。このコラボを実現させたラユンさんの行動力と熱意は本当にすごいですよね!
ラユンさんのツイートを見ても分かるように、このキャラクターは2017年5月26日〜28日に行われる17th JapAniManga Nightにも関わっているようです。
とても魅力的な女性の車掌さん、’のぞみ’をご紹介します! のぞみさんはレーティッシュ鉄道と箱根鉄道の制服を組み合わせた物を着ています。レーティッシュ鉄道はヨーロッパで初めて、萌えキャラでキャンペーンをします。僕が今まで努力し夢見て来た事がついに実現します! #スイス政府観光局 pic.twitter.com/8aUZ27PHdr
— スイス大使 ラユン (@rayunch) 2017年4月21日
キャラクターの名前は「のぞみ」ちゃん。キャラクターデザインは俵太さんです(Twitter @Nekogamirin_c)
デザインを見ると、ストレートロングヘアに日本の花である桜の髪飾りを付けたキャラクターが、レーティッシュ鉄道の車掌と同じ色の制服とネクタイに身を包み、制服の襟にはスイス政府観光局のエンブレム、そしてお馴染みの赤い車掌バッグを持つなど、こだわりが沢山詰まっています!
私の中の勝手なイメージですが、昔からあるスイスの企業はどちらかと言うと、新しい物をどんどん取り入れていくというよりは昔からある物を大切にするような(少し悪く言うと)保守的なイメージがあったので、ラユンさんがレーティッシュ鉄道の担当者に正式にのぞみをマスコット化することを提案したときに「冗談を言っていると思われた」と感じたのもうなずけます。
それから、少し気になる情報をひとつ。
スイス観光局(スイス政府観光局)は2016年の報告書を発表しました。2006年以降、スイスを訪れる日本人の数は着実に減少しています。チューリッヒ市では約マイナス40%の予約があります。理由としては日本人にとって、スイスはすごく高価だと思います。 pic.twitter.com/f6tTnK82kV
— スイス大使 ラユン (@rayunch) 2017年2月25日
ラユンさんによると、スイスへ訪れる日本の観光客は減少し続けているようです。確かにスイスは物価が高い国として、日本でも知られていると思います。実際にスイスに住んでいる私自身も、つい日本の物価と比較してしまうために、何でも高いなと思うことが多々あります。
しかし、理由を探ってみると高いなりの理由が存在しており、その品質も高く評価されている物がたくさんあります。そこに価値を見いだせれば、高いお金を払っても惜しくはないと思えるのではないでしょうか。
スイスの企業が採用した萌えキャラのニュースは、日本のメディアにも大きく取り上げられているので、注目度が高い事は間違いないです。今まではスイスに興味が無かった人たちが、のぞみちゃんをきっかけにしてスイスに訪れるようになるといいですね!
私も近々、日本からの来客があるので、スイス国内の観光としてレーティッシュ鉄道をまた利用したいなと思っています。
最後に”スイス大使 ラユン”さんの印象的なツイートを取り上げておきます。
日本とスイスはやはり、強い絆で結ばれています! (*^ ^*)
— スイス大使 ラユン (@rayunch) 2017年4月21日
スイスと日本、遠くて近い国。
これからも多方面で繋がりが広がっていくことを願っています。
➕Vielen Dank für Ihren Besuch➕
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